介護現場で必要とされる柔軟性と共感スキル
介護現場では、職場によって仕事の進め方が変わることが少なくありません。そのため、どこで働くかといった部分が鍵になってきます。
実際、培ってきたスキルが、職場が変わって役に立たない場合はよくあります。
というのも、人手が足りているのか、十分に施設が整っているのかといった働く環境によって、介護の仕事は左右される部分が多いからです。要介護度が低い職場から高い職場に移るようなケースでも、これが当てはまるかと思います。
そもそも介護現場では、介護士のペースで仕事を進めることは出来ません。利用者が主体になるため、通常10分で終わる仕事が人によって30分かかってしまう場合もあります。
もしスケジュールが詰まっていれば、当然、全てが後ろ倒しになり、同僚や他の利用者に迷惑がかかることも考えられるでしょう。
そのため、多くの知識を持つことも大切ですが、介護現場では常に柔軟性を持ち、臨機応変に対応していくことが大きなポイントになります。
序章で、培ってきたスキルは職場が変われば役に立たないと述べていますが、役に立たないスキルばかりではありません。
利用者の立場に立ち、どんな介護が必要とされているのか、介護内容に対してどう感じるかという共感スキルは、どの職場に行っても役に立ちます。相手の気持ちをよく考えるということは、職員同士の人間関係においても、非常に良い影響を与えるでしょう。
共感スキルは大事ですが、人に共感しながら自分の価値観を押し付けないことも大事です。利用者は一人一人異なります。ある人にとっては喜ばしいと感じることも、違う人には不快ととられてしまうことがあります。
そのため、きちんと話を聴くことが重要です。ただ、自分の気持ちを上手く伝えられる利用者だけではないため、一人一人と向き合い、上手く感情を読み取っていくことが大切になります。
そうしたコミュニケーションの部分は、経験の中で少しずつ学んでいくしかありません。コミュニケーション上手な同僚を見習うなどして、コツコツと自分の中に落とし込んでいきましょう。